大判例

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大阪高等裁判所 昭和25年(う)2341号 判決

しかし、原判決挙示の証拠を綜合すれば判示事実は十分認められる。原判決の認定した事実によれば「被告人は福島税務署管内納税者の昭和二十二年度所得税更正決定の是正を目的として結成された福島納税民主化同盟の責任者として、昭和二十三年三月頃から同年末頃までの間多数の同盟加入者の委嘱により同人等の所得税に関しその相談に応じ、或は大西フサ外十数名に対し審査請求書類の作成につき指導を与え、所轄税務署に同盟員数百名の審査請求書と共に一括代理提出し、且税務署員の戸別訪問に立合い査定額の減額方を口添した」と云うのであるから、被告人の行為はその内容と反覆性から見て明らかに税務代理士法第一条所定の業を行いたる者に該当するのである。そして弁護士法第七十二条弁理士法第二十二条の二等は「報酬を得る目的を以て」と規定せるに対し税務代理士法第二十一条は「第四条第一項の許可を受けずして税務代理業を行いたる者は」と規定せるに徴し、報酬の有無は本件犯罪の成否に無関係であると解すべきであるから、所論のようにたとえ被告人が何等の報酬も受けなかつたとしても犯罪の成立を妨げるものではない。論旨は理由がない。

同第二点について。

論旨は被告人は前述の行為をなすについて福島税務署長との間に覚書を交しその承認を受けていたから、罪とならないと主張する。しかし、所論署長承認の事実は原判決の認めないところであつて証人山田政二(福島税務署長)の証言によれば「五項目の同条の要求事項は自分としては全面的に諒解したものではない」と云うのであるから原審の措置はもとより正当である。仮りに署長の承認があつたとしても、税務代理士法によれば税務代理士たる資格を有する者でなければ税務代理業を行い得ないし、税務代理士たらんとする者は国税庁長官の許可を受けなければならないのであるから、単なる署長の承認は同法第二十一条違反の罪の成立を妨げるものではない。論旨は理由がない。

(註。本件は量刑不当により破棄自判)

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